A.任意整理・個人再生の場合、全てを話す必要はありませんが、自己破産の場合は免責不許可の可能性があります。
任意整理の場合
任意整理の場合、依頼する弁護士に対し、借金ができた経緯や事情を説明しなければいけない義務はありません。
どんな理由でできた借金であっても債務整理をすることは可能です。財産状況や、家族関係など不都合なことは話さなくても大丈夫です。
また、他の借金の存在を言わず、過払い金の回収がありそうなものだけ債務整理を依頼したいなどピンポイントで依頼することも可能です。
ただし、途中で返済が滞った場合に、すでに和解した債権者と任意整理をやり直すということはかなり難しいので、借金に関することは全てを話した上で、これとこれだけ対象にしたい、対象にしない返済額は毎月いくら、ということを話しておけば、余裕を持った返済計画を作ってもらいやすくなります。
個人再生の場合
個人再生でも同じように、家族関係など借金に関係ないことは話す必要はありませんし、借金ができた経緯もざっくりと概要だけ説明すれば十分です。
ただし、親族からだからといって一部の借金の存在を隠す、など、借金の総額に関して嘘をつくのは×。個人再生自体がダメになってしまう可能性があります。
なお、一度、嘘の説明をすると後々破綻する可能性があります。
弁護士は、あなたの申告を信頼して返済計画を組みます。嘘がバレるとその信頼関係が崩れ、途中で辞任されてしまう可能性があります。嘘をつくくらいなら、話さない方がベターです。
自己破産の場合
一方、自己破産の場合は、自己破産に至る経緯から借金額、借り入れ先名まで全て話すことが必要です。
全て隠さず打ち明けるからこそ、裁判所から借金をチャラにしてもらう決定がもらえるのです。自分では些細なこと、と思っていても、裁判所にとっては非常に重要なポイントである場合もあります。
例えば借金の原因がパチンコだったことを隠して破産申立をし、債権者にパチンコ店から出てきたところを見られて、裁判所にバラされた場合と、パチンコをしましたが反省していますと自己申告をするのとでは、どっちが誠実さを感じられるでしょうか?
バレた嘘が自己破産にとって重要ポイントだった場合、信頼関係が失われるだけでなく、免責不許可といって借金がチャラにならない可能性もでてきます。
また、事件途中にもかかわらず弁護士に辞任されてしまう可能性もあります。自己破産をするなら、嘘はつかない方が賢明です。